場面緘黙親の会LINEオープンチャットに書き込みのあったいくえさん(仮名)の発表会に向けた声を出す練習の体験談が参考になりましたので、緘黙マガジン編集部が編集して紹介します。
いくえさんの娘さんが通っているのはキリスト教の幼稚園で、12月にクリスマスページェントの劇をやることになりました。
娘さんは年長になり、幼稚園で最後の発表会。
オーディションから本番当日までの1ヶ月間、娘さんといくえさんで頑張ってきた声を出す練習のステップはどんなものだったのか、そしてどんな結果になったのか…。
オープンチャットにリアルタイムで報告をし続けてくれたいくえさんの経験を通して、就学前におけるステップの進め方について参考にしてもらえたらと思います。
※この記事に記載された体験談は、あくまでも個人の感想になり、情報として決め付けるものではなく、様々な可能性やヒントを読者の皆様にお伝えする目的になります。内容が気になる場合は、専門家にご相談ください。
オーディションで選ばれたことをきっかけにチャレンジ
年長までに話せるようになってきたが、決まったセリフを言うのは苦手
私には、二年ほど前まで幼稚園でまったく喋らなかった娘がいます。
これまでは得意なことで自信をつけさせ自己肯定感を上げることや、不安を取り除くことなどで少しずつ場面緘黙の症状が緩和してきました。
時間をかけて少しずつ解決してきたことで年長時には園の中でかなり話せるようになったのですが、一番の苦手は人がたくさん見ている注目下での発表でした。特に決まったセリフを言うほうが難しいタイプでした。
去年の発表会では、同じセリフを仲良しのお友達と一緒に言うようにしてもらいましたが、結局娘は言えずに、もう一人の子が独りで言った感じになりました。
オーディションで天使の役に選ばれた!?
今回は、本人がどうしても天使の役がやりたいと言い出し、オーディションに挑戦しました。
セリフを一人で言うものと、歌をみんなで歌うオーディションがありました。
セリフは言えなかったのですが、歌はかなり大きな声で歌えたようで、先生が娘を天使の役に選んでくれました。
なぜ先生が娘を選んでくれたのか謎だったのですが、先生は連絡帳に「天使希望者の中で、一番大きな声で歌えていたので、期待をこめて選びました!」と書いてくれました。
オーディションで天使になれなかった子がいるので、できることならセリフを言ってほしいなと思っているのですが、大丈夫かなと心配になりました。
娘と話し合い、本気で練習することに
娘には、今回は希望者が多かった天使をやることになったので、さすがに「やっぱりセリフは言えない」は無しだよ、と話しました。
これまで、「やりたい」が「言えない」に勝って「言えた!」という場面があったので、ここは最後の砦を乗り越えるチャンスだと思いました。
一方、娘にとっても最後の発表会ですが、今まで娘をあたたかく支えてくれた他のお友達にとっても最後の発表会です。
そのため、練習してみて期限までに無理そうだったら、他のお友達と交代してもらうということを条件に、娘と本気でセリフを言う練習をしてみることにしました。
いろいろ試してみたセリフを言う練習のステップ
自宅で撮影した動画を先生に見てもらうステップ
まずやってみたセリフを言う練習のステップとしては、自宅で撮影した動画を先生に見てもらうことでした。