場面緘黙親の会代表の辻田和彰です。
これまで僕が、場面緘黙に対して経験してきた困難や親の会団体設立の経緯。そして、保護者の皆さんへの想い、親の会団体活動への想いをお伝えしたいと思います。
孤立した中からのスタート
場面緘黙という言葉を知ったのは、娘が幼稚園の年少の時。
1歳くらいから人前では恥ずかしがり話すことをしないのは気づいていましたが、ネットで調べて場面緘黙を疑いはじめました。
どこに相談したら良いのか、誰に相談したら良いのか、ネットを調べても、周りの人に聞いてもほとんどわからず。
藁にもすがる思いで児童相談所に相談するものの、様子を見ましょうという話でふりだしに戻りました。
相談する先がない中、独りで孤立。。
自分だけで抱え込むのが苦しかったので、個人のブログで自分自身の思いを吐き出すことにしました。
すると、他にも同じ悩みを持つ親がたくさんいることがわかり、そんな方々とのつながりを感じはじめました。
オープンチャットでたくさんの仲間と出会う
もしかすると、同じ悩みを持つ親はたくさんいるのでは?と思い、2020年9月、LINEオープンチャットを立ち上げました。
初めは相談できる仲間が欲しいな。
2、30人くらいの仲間がいたら嬉しいなと思って、気軽な気持ちでオープンチャットを作りました。
それが、あっという間に100人、200人と増え、ニーズの高さにびっくりしました。
それと同時に、独りじゃない、思った以上にたくさんの仲間がいるんだと実感しました。
初めは僕自身が中心となり、妻と一緒に立ち上げたオープンチャットですが、参加者が多くなったために、さらに組織的に継続できるよう事務局メンバーを増やしていきました。
独りで悩まないで!たくさんの仲間がいることを知ってほしい
うちの娘は自閉スペクトラム症を併存した場面緘黙症状があり、幼稚園から不登園、小学校も最初から不登校で今も真っただ中にいます。
家庭内では僕が主夫となり娘に寄り添っていますが、僕自身もメンタルを崩し苦しんでいます。
そんな中で医師やカウンセラー、学校の先生方など、様々な支援者さんに助けてもらいました。
親の会の仲間には、僕がメンタルを崩して活動できない時には助けてもらいました。
一人の力ではどうにもできなかったと思います。
今もたくさん助けてもらっていますし、助けてもらう大切さを痛感しています。
親の皆さんには誰も場面緘黙のことをわかってくれないんじゃないかと、独りで悩まないでほしい。。
たくさんの仲間や支援者がいることを知ってほしいのです。
一人の力ではなくみんなの力で社会を変える
僕は最初何かを変えたいと思い、一人で幼稚園に訴え、周囲の理解を求めました。
でも、既存の社会の枠組みの中では、いくら訴えてもすぐには変わりませんでした。
そして、何も変わらないまま幼稚園が終わると小学校へ。
就学後、僕の場合は病院や教育センターで毎週のように相談。学校や療育では先生との調整役。家では娘と毎日一緒にいて不安を取り除くカウンセラー役…。一人何役もこなすわけです。
場面緘黙の改善に力を入れれば入れるほど多忙になり、自分だけではどうにもならないことに気づかされました。
僕と同じではないかもしれませんが、場面緘黙の子どもを持つ親はそれぞれ苦労し、いろいろなところを駆け回り、忙しすぎると思います。
忙しすぎる親が一人で立ち向かっても小さい力にしかなりません。
だからこそ、私たちは一人に頼らない力、組織として寄り添い合う力を大切にしていきたいと思っています。
一人では弱いかもしれませんが、みんなの力をまとめて発信し、一人でも多くの人に場面緘黙を知ってもらいたい、社会の共感を得たい。
私たちは、参加してくださる親の皆さんと共に、場面緘黙の我が子のために社会を変える活動ができたらと考えています。
「場面緘黙親の会」は場面緘黙の子とその家族の支援、場面緘黙に関する正しい知識と理解の普及啓発を目的とし、場面緘黙の子をもつ保護者や支援者によって、オープンチャットの運営をはじめ、はぴもくcafe(交流会)などの活動を行っています。