
場面緘黙親の会LINEオープンチャットに書き込みのあったいくえさん(仮名)の「カードゲームを活用した療育でのスモールステップ」の体験談が参考になりましたので、緘黙マガジン編集部が編集して紹介します。
就学前の療育において、どのように遊びを取り入れながら発話につなげていけるか、日々試行錯誤している保護者の方も多いのではないでしょうか。
いくえさんは、家庭での安心できる遊びを土台にしながら、カードゲーム「レシピ」を通じて娘さんの発話の成功体験を少しずつ積み重ね、療育の場でも自然な形で声を引き出すことに成功しました。
いくえさんの経験を通して、「遊び」から始めるスモールステップのヒントを得てもらえればと思います。
※この記事に記載された体験談は、あくまでも個人の感想になり、情報として決め付けるものではなく、様々な可能性やヒントを読者の皆様にお伝えする目的になります。内容が気になる場合は、専門家にご相談ください。
個別支援の療育でカードゲームを使った取り組み
娘は場面緘黙があり、現在は年長。幼稚園生活も、あと1ヶ月で終わろうとしていた頃の話です。
個別支援の療育に通い、先生と遊びを通じて信頼関係を築きながら、少しずつ発話を促す取り組みを続けてきました。
中でも、カードゲームやボードゲームは声を出すきっかけになりやすく、家庭と療育の連携によって良い変化があったので、その体験を伝えたいと思います。
カードゲーム「レシピ」で声を出す練習
療育に通い始めた初期から時々遊んでいたのが、「レシピ」というカードゲームです。
料理をテーマにしたゲームで、具材カードを集めて料理を完成させた人が勝ち、他のプレイヤーが捨てたカードが自分の欲しいものだったら「レシピ!」と声に出して宣言することでカードがもらえるルールです。
材料がそろって料理が完成したら「あがり」の合図として「できあがり!」と言います。
でも、私と先生と娘の3人でやっていた頃は、この「レシピ!」や「できあがり!」というセリフを声に出すことができませんでした。つい先月遊んだときも、声は出ませんでした。