第5回はぴもくcafe勉強会「学校や園への提出文書作成」

2022年3月30日に行われた第5回「はぴもくcafe」Zoom勉強会トライアル~学校や園への提出文書作成~について、イベントレポートとして紹介します。

参加されたのは就学前、小学生、中学生の場面緘黙のお子様がいる保護者が中心。

今回は、勉強会という初のスタイル。前半は「緘黙パパのシコウサクゴ」というテーマで親の会代表である緘黙パパから体験談を話し、後半はトークテーマを軸に参加者の皆様と話し合う形になりました。

イベント後のアンケートでは、当日の様子が伝わってくる感想をたくさんいただくことができました。
その感想を中心に紹介しながら、レポートとしてまとめてみました。はぴもくcafe勉強会がどんな様子なのか参考にしてみてくださいね。

イベント概要

・開催日:2022年3月30日(水)
・開催時間:10:00~12:00
・参加方法:Zoom
・参加費:無料(トライアル開催により)
・対象者:場面緘黙の子どもを持つ保護者
※場面緘黙親の会LINEオープンチャット会員でなくても参加可能

参加メンバー

■主催者、講師、Zoomサポート
・辻田 和彰(緘黙パパ)
場面緘黙親の会代表。
場面緘黙、自閉スペクトラム症の女児を持つ1児の父。

■司会進行
・ココア
自閉スペクトラム症、場面緘黙の思春期女児を含む2児の母。
ひまわりの会(関西)主催。

■参加者
場面緘黙の子どもを持つ保護者24名。

当日の流れ

1.主催者挨拶:緘黙パパより趣旨説明
2.緘黙パパのシコウサクゴ
3.トークテーマ1:場面によって話せる場合にお願いすべき配慮
・場面緘黙の資料を渡しても理解してもらえない場合は?
・「話せるから場面緘黙ではないのでは?」と理解してもらえない場合は?
・理解を得るためにどのように説明すべきか?
4.トークテーマ2:不登校の場合にお願いすべき配慮
・どのようなステップで学校に支援をお願いすべき?
(付き添い登校、学校にいる時間など)
・新しく入る学校に対して話しておくべきことは?
5.代表総括

参加された皆様の感想

イベント終了後のアンケートで、皆様からいただいた感想の中から抜粋して紹介します。

はぴもくcafeの満足度は?

満足:21名
やや満足:3名
どちらともいえない:0名
やや不満:0名
不満:0名

※24名の方から回答をいただきました。

参加した感想は?

※( )には、参加者のお子様の状況がわかるように、大まかな学年と性別を記載しています。

提出文書について、具体的にどうまとめて良いかわからなかったので、大変参考になりました。
また他の参加者の皆さんのお話を聞けて、うちだけじゃないんだと大変励みになりました。
(就学前・男児)

今後、文章作成に取り組むのにとても参考になりました。
子供を主体に考え、理解者を増やすことの大切さを感じました。
また直接お話しや意見を聞く機会を初めて持てて感謝しております。
心配や不安から悩んでばかりでしたが、前を向いて一歩ずつ親子共々成長していきたいと思います。
(就学前・女児)

講義のポイントがとてもわかりやすく、学年度末に開催というタイミングも助かりました。講師の緘黙パパさんが参加者の質問をすべて公平に大切に扱ってくださり、進行のココアさんが場を和ませてくれたりご自身の経験をオープンにお話してくださったりしたお陰で、とても参加しやすい雰囲気でした。進行もスムーズで必要な情報を得ることができ、タイムスケジュールもとてもよかったです。
(就学前・男児)

すごく勉強になりました。親の本気度を伝えるということを考えさせられて、実践したいと思いました。
(就学前・男児)

とても、良い話を聞けて参考になりましたがメモを取るのに必死となり半分くらい聞かれなかったので、書き方についてのポイントはメモを取らなくても全て共有してもらえたら嬉しい。
入学前で既に提出してる内容もあったが改めてこんな事も伝えたら良いのだとわかり助かります。面談があるのでその時迄に用意したいと思います。ありがとうございます。
(就学前・男児)

同じ悩み事を抱える仲間がいる実感が湧いた。
(小学生低学年・男児)

共感できる話ばかりで励みになりました!緘黙パパさんの雛形や説明詳しくありがとうございました!参考にさせていただきます。
(小学生低学年・女児)

新担任に何を伝えればいいのか、考えがまとまらずにいたのですが、緘黙パパさんの話から伝えたほうが良いことが見えてきました。
また、書面で提出するメリットもよくわかりました。
(小学生低学年・女児)

①緘黙パパのお話
文書作成にあたって、漠然としていましたが今日のお話でスムーズに書けそうです。近日中に完成させ、始業式前に転校先に提出することになりました。
②トークテーマ
具体的なアイデアが参考になりました。家での動画や笑顔写真を学校に共有する、緘黙関連の本を共有する、懇談に専門家同席してもらう、面談を最後の時間にしてもらう等実践したいと思います。不登校については、もう少しお話を聞きたかったなという印象です。次回がありましたら、登校再開できた方や子供がこれなら良いといった事例等聞けたら嬉しいです。
(小学生低学年・男児)

息子以上に不登校になってしまったりと大変な方がいて、その方々のありのままの体験談が聞けて大変興味深かったです。
(小学生低学年・男児)

子供が学校で安心して過ごせる為にどうすればいいのか、道のりは長いですが、少しずつ前に進む感じなんだと改めて感じました。子供の声を聞くこと。親の姿勢が担任や先生方に繋がり、いい関係作りが出来る事。色々参考になりました。
文書作成の書き方、タイミングなどもとても参考になりました。ありがとうございました。
(小学生中学年・男児)

具体的な内容で安心して出来そうです。ありがとうございました。
かんもくの子の事ではありませんが、支援計画も親としては中学は小学校のように丁寧ではなくて不満を持ってましたがしっかり話し合っていきたいです。
文書は専門家の意見も付け加えたり、医師などからも確認してもらいます。
かんもくで引きこもりの小学生の子の学校への理解ももっとお願いしたいので先生の意見書を作ってもらおうかと思います。参考書籍も渡したいです。
(小学生中学年・女児)

場面緘黙に特化したセミナーは初めてでした。学校へ渡すペーパーの作り方や、学校へ伝える上で大切なポイント(本人の意思を伝える、継続して連携をお願いする等)を教えていただいたので、今後に活かしたいと思います。
(小学生中学年・男児)

チャットで参加できるのがとても良かった。
(小学生高学年・女児)

息子が、自閉症があり、緘黙のことは気づくのが遅く、全然勉強してこなかったため、今日いろんな事を聞かせてもらい、共感できる部分も多く、また保護者の方の意見も聞くことができ、皆さん頑張っておられるから、励まされました。
(小学生高学年・男児)

学校側にどんな形式の資料を作成したら理解されやすいか、また連携のお願いや継続的な面談希望の仕方など参考になるものばかりで、早速本日の学校との面談に役立てる事ができました。
(中学生・男児)

勉強会、わかりやすくてすごく良かったです。
提出文書には配慮などの一方的なお願いだけでなく、保護者として取り組んでる事や頑張っている姿勢も記入するというのがとても印象に残りました。

緘黙パパさんの丁寧で分かりやすい説明と、ココアさんの優しい進行で皆様から貴重なお話を聞く事ができました。

次回もはぴもくcafeに参加したいですか?

ぜひ参加したい:10名
タイミングが合えば参加したい:14名
どちらともいえない:0名
参加したくない:0名

※24名の方から回答をいただきました。

今後取り組んで欲しいことは?

登園や登校せずに自宅にいる時の過ごし方や勉強面のフォローなどはどのように行われているのか教えてほしいです。
(就学前・女児)

療育の先生やSTさんの前では緊張感ない態度なので、緘黙具合が伝わらず適切な療育が受けることが難しいです。逆に、検査となるとノーリアクションになり、検査もできていない状況です。
こういった理由で、支援を受けるのが難しいのですが、このまま見守っていてよいのか悩みます。成長を待つしかないのでしょうか。
(就学前・男児)

元当事者の方の体験談をお聞きしたい。
(小学生低学年・男児)

不登校が少しでも改善された事例が聞きたいです。また緘黙自体が改善されたお話もありましたら。親の会ですから現在進行形の方が多いのは承知ですが、少しでも前向きな明るい情報も聞けたらいいなと思いました。
(小学生低学年・男児)

息子が『自分みたいに場面緘黙症で悩んでいる子がいるなら、その子達と親達で一緒に話して考えたい。』と言っていたので、そういう取り組みがあれば良いなと思いました。
(小学生低学年・男児)

中学校、高校、その先の進路について、テーマにしていただけたら、ありがたいです。
(小学生中学年・男児)

ただただ悩みを共有する親の会
(小学生中学年・女児)

緘黙が改善した方の体験談などを参考にお聞きしたいです。
(小学生中学年・男児)

かんもくの子達のグループなどがあれば活動を紹介してもらいたい。
自己理解。
話す以外の方法の紹介。
ケース会議についてはブログにかかれているのでしょうか。拝見します。
(小学生中学年・女児)

緘黙を和らげる方法は、具体的にどういう方法があるか?など
(小学生高学年・男児)

様々な療育、支援事業、デイサービスや集団SST等の情報収集、受ける側と事業所のマッチングについて。
(中学生・男児)

その他ご意見、ご感想

内容の濃い2時間でした。ありがとうございました。
(就学前・男児)

途中からの参加でしたがとてもためになりました。
一人で抱え込んでしんどいなと思っていましたが、皆さんの対策や経験談を聞くことが出来、少し気が楽になったような気がします。
顔出しせずにチャットで気軽に相談出来るというのも良かったです(今度は利用してみたいです)。
進行がスムーズでとても聞きやすかったです。
(就学前・女児)

このような貴重な場を提供していただき、緘黙パパさんをはじめ、運営に携わっていらっしゃる皆さんに感謝申し上げます。
まだまだ先は長いですが、少しでも子供が笑顔で過ごせるように、寄り添っていきたいなと思いました。
ありがとうございます!
(就学前・男児)

勉強会を開催してくださったスタッフの皆さまも、それぞれ場面緘黙症の子どもの親として奮闘されている最中に、準備に時間を割いていただきありがとうございました。私自身は自分の子育てのことで精一杯になってしまっていますが、ご自身の時間や経験、情報を惜しみなく他の困っている人に与えられる皆さまの存在が本当にありがたいです。特に講師の緘黙パパさんには、時間をかけて、体力・精神力をすり減らしながら試行錯誤して作成された提出文書をブログでも共有していただき、そのリンクも教えていただいて感謝します。
(就学前・男児)

仕事をしている為、途中での退出となってしまい残念でした。色々な時間帯や曜日で開催してもらえたら嬉しいです。ありがとうございます。私も少し緘黙があるのでzoomも苦手です。顔なしマイクなしで参加出来るので良かったです。
(就学前・男児)

本日はピンポイントに聞きたいお話の企画をしてくださって、大変感謝しています。
進行がスムーズでしたし、場面パパさんの資料とお話がとてもわかり易くて、有意義な時間でした。会の雰囲気が良くて、初めてでも参加しやすかったし、オンラインに慣れてない方も気軽に参加しやすいのではと思いました。顔出しやチャットは任意と配慮とされているので、緊張せずいられました。我が家は低学年の不登校のため、毎日家にいなければならないので、今後もオンライン勉強会だと参加しやすいなと思いました。(ちなみに、ワイヤレスヘッドホンにして子供達には聞こえない形で参加しました)

学んだことを忘れないうちに(笑)今夜、学校宛ての資料作成します!ありがとうございました。
(小学生低学年・男児)

なかなか身近に場面緘黙症で悩まれてる方がいないので、このような機会が1ヶ月に1回位定期的にあればいいなと思いました。
(小学生低学年・男児)

学校に対して言っても伝わらないとの思いが強いです。かんもくの子の事ではありませんが、やっと教育委員会に間に入ってもらったり、ケース会議もしてもらえそうです。
具体的なお願いは遠慮してしまっていましたが、一緒に取り組むという姿勢を見せるということを学び、もっと先生と話し合う必要を感じました。
学校は新しいことに取り組むのが難しいのかと感じています。先生方が忙しいのは理解できます。
後へ続く子達のために私も少しずつ取り組めていけたらと思います。
緘黙パパさんのがんばりをこれからも参考にさせてください。
(小学生中学年・女児)

参考になりました。先生の視点に立って知りたいことを考えてみようと思いました。そこから伝えるべきことを考えていきたいと思います。
(小学生中学年・女児)

同じ境遇にいて同じ悩みを持つ親が繋がれる、このはぴもくcafeの存在がとても有難いです。
(小学生中学年・男児)

緘黙パパさんが、すごく頑張って子供さんの困り感に向き合われている所がすごい!と思いました。中学校の支援クラスに入学するため明日先生にお話しに行くから、タイムリーに配慮の話が聞け良かったです。私も、作ってみようと思います。
場面緘黙は、自閉症のせいで不安が強く話せないんだ、、と思いこんでいたのと、先生にも少しは話せるから〜という先生の言葉で、場面緘黙のことは深く考えてなく、勉強ができるから、普通クラスに行ったら?の色々な先生方の意見で、悩みましたが、普通クラスに行かせてしまいました。
場面緘黙のことを知っていれば、それは、しなかっただろうなと反省してます。先生に声が出せるのに、努力してないとか、忘れたら、ちゃんと言いに来て(先生は前向きに考え、出来ることを増やしたいと思われたようですが…)とか、普通クラスでの配慮がないところがあり、不登校になってしまいました。
今までお世話になってきた、療育センターの先生や、心理士さんにも、お伝えしてみようと思います。
ありがとうございました。
(小学生高学年・男児)

緘黙だけでなく緘動のことも深く理解されているだけでなく、子供との関わり方、目線は自分視点でなく子供の視点に合わせた支援を常に考えられてる管理者の方々に感銘を受けました。自分にとっても新たな気づきを見つけられました。大変感謝してます。ありがとうございました。
(中学生・男児)

第5回「はぴもくcafe」Zoom勉強会~学校や園への提出文書作成~を終えた主催者からの感想

初めての講義「緘黙パパのシコウサクゴ」

「緘黙パパのシコウサクゴ」というテーマで初めて講義をさせてもらいました。

講義形式のお話だったので緊張していましたが、事前に資料の準備をしていたので、わりとスムーズに進めることができたのではないかと思います。

参加者の感想を読むと、講義がわかりやすかったという声が多かったので、資料を作り何度も話す練習して良かったぁ、とホッと胸をなでおろしました。

講義時間中に参加者とのチャットでの対話も盛り込んでいて、うまくいくかどうか不安だったのですが、皆様が積極的に参加され質問も随時してもらえたので、すごくやりやすかったです。

チャットを通して、皆様と一緒に考えたり、共感しあえたことが嬉しかったです。

トークテーマでは参加者の体験談から具体的なアイデアを出しあえた

トークテーマでは、事前アンケートでリクエストのあった「場面によって話せる場合にお願いすべき配慮」と「不登校の場合にお願いすべき配慮」について、参加者同士で話し合うことができました。

事務局メンバーがトークサポートで入ったこともあり、講義でお話しした緘黙パパだけの意見ではなく、様々な体験談が出て、参考になる話が多くありました。

参加者の感想にもあるように、具体的なアイデアがたくさん出しあえたことが、良かったのではないかと思います。

レポートのまとめ

今回初の試みとなった勉強会ですが、34名という多くの方の参加になり、主催側としては満足していただけるものになるかプレッシャーを感じていました。

参加後のアンケートでは、満足感のある素敵な感想をたくさんいただいたり、応援してもらえるコメントも多くいただき、講師の緘黙パパ、運営事務局ともにすごく励みになりました。

今後もはぴもくcafe勉強会は、積極的に開催したいなと思いました。(でも、ちゃんと話せるネタが作れるか…今から心配なんですけどね笑)

参加していただいた皆様、アンケートの感想含め本当にありがとうございました。